こんにちは、防府市の主婦なんたんです^^
古熊神社は学問の神様と呼ばれる菅原道真公と、そのお子である福部さまをお祀りする神社です。
古くから地元の人々に親しまれており、秋には山口三大祭のひとつである御神幸祭「山口天神祭」が盛大に行われます。

今回は「山口の天神さま」と呼ばれる古熊神社のご由緒やご利益、駐車場などについてご紹介します。

古熊神社・ご由緒

1373年(応安6年)、第24代大内家当主・大内弘世(ひろよ)が天神様の総本社である北野天満宮より菅原道真公の御分霊を勧請し、中市町に社殿を造営しました。当時の神社名は「北野天神」でした。

江戸時代、藩主であった毛利秀就公に、北野天神を別の地に移すようご神託があり、1618年(元和4年)現在の古熊の地に遷座されました。遷座とともに神社名も「今天神」と改められます。
そして明治に入り、「今天神」から現在の「古熊神社」に名称が改められました。

拝殿の脇には、天神様と言えばおなじみの御神牛もおられます。

また古熊神社には、道真公の御霊とともに、お子様である福部(ふくべ)さまの御霊も祀られています。

901年(昌泰4年)、道真公は大宰府に左遷され、お子さまたちも道真公とともに咎を受けました。福部さまは10歳と幼かったため、処分を受けず京に残ることを許されます。

お父上を思うさみしさから、福部さまは1年後に大宰府に旅立たれますが、山口の地で夏の疫病にかかり、父上に会うこと叶わず短い生涯を終えられました。
福部さまの御霊は北野天神が鎮座の際に、道真公の御霊と合わせて祀られることになりました。

福部さまの亡骸は山口の人々の手によって丁重に葬られ、現在の山口駅前にお墓が建てられています。今でも福部さまの命日には、お墓の前で祭典を行っています。

古熊神社・ご利益

道真公は学問の神のみでなく、五穀豊穣、芸事、正直の神としても祀られています。
学業成就のお札や交通安全、厄除けなどの御守が頒布されています。

古熊神社・見どころ

本殿、拝殿

社殿は室町時代に建立されたものを、1618年(元和4年)にこの地に移築したものです。本殿も拝殿も、室町時代の様式をよく伝えています。

拝殿は山口でよく見られる楼拝造の中でも古い年代のものであることから、国の重要文化財に指定されました。楼拝造とは、もともと楼閣(高層な建築物)として造った建物に床をはり、拝殿として活用したものです。

本殿の正面には3つの蟇股(かえるまた、梁や桁の上に置かれる山型をした部材)に松竹梅の彫刻が見られますが、これらはわが国で建築の装飾に松竹梅を取り入れたもっとも古い時代のものとして有名です。
こちらも国の重要文化財に指定されています。

放生池と祠、摂末社

本殿左手にはきれいに整備された放生池があり、池の中には道真公の歌碑が建立されています。

潤いがたっぷりの緑とかすかに聞こえる水の流れる音。石造りの橋もかけられ、池のほとりには三森神社が、そのわきには芭蕉の句碑も建てられています。

静かな境内の中でも、この放生池の周りはいっそう厳かな雰囲気が漂っており、古熊神社の境内の中でもいちばん落ち着く場所です。

本殿右側には水神様や金毘羅神社などの末社も鎮座しています。

御朱印、御祈願の受付は

境内には授与所があり、御守やお札が頒布されています。
わたしが参拝した時は授与所には人がいらっしゃらず、御用の方は階段下の社務所に声をかけるよう書かれていました。
御守ではなく別の用事で社務所に伺いましたが、親切に対応いただきました。

御朱印も社務所にて受付ています。
古熊神社では、同じ山口市に鎮座する野田神社、豊榮(とよさか)神社の御朱印もいただけます

社務所の受付時間ははっきり決まっていないようですが、御守やお札、御朱印の授与は夜間は避けてもらえるよう公式HPに記載があります。

御祈祷の受付時間は​8:00~17:00。事前にHPから電話、申し込みフォームより予約が必要です。
また御初穂料の目安は5000円からとなっています。
詳細は古熊神社公式ホームページをご覧ください。

>>古熊神社公式HP

駐車場、アクセス

駐車場は踏切からまっすぐに道路を進んで坂道をのぼると、左手に駐車場(5~6台)があります。狭くて入りにくいのでお気を付けください。
すぐそばにある山口市柔剣道場、社務所前(3~4台)にも駐車できます。

最寄り駅はJR上山口駅で、駅から徒歩15分です。

古熊神社・施設情報

山口市古熊1丁目10-3
TEL 083-922-0881、FAX 083-928-2872
参拝時間 24時間(社務所は夜間はご遠慮ください)
古熊神社公式HPはこちら

まとめ

今回は古熊神社をご紹介しました。
ちょうど参拝した日は8月1日。七夕まつりの初日だったそうで、境内には笹竹を飾ってあり、納涼水みくじも頒布されていました。

2020年はコロナ禍のため、山口三大まつりのひとつである「山口七夕ちょうちんまつり」が中止になりました。
お祭りがなくなりさみしい夏を過ごす山口市民に、少しでも夏のお祭りを感じてほしい、と75年ぶりに古熊神社での七夕まつりを復活されたのだそうです。

山口の人たちがずっと親しんできた天神様。
境内は静かでしたがほんのりと温かく、地元の人々に寄り添い、愛されてきたことが伝わってくる神社でした。
山口市においでの際はぜひ、山口の天神様、古熊神社へご参拝くださいませ。春には桜、早春には梅の花がお出迎えしてくれますよ。